母方の祖父の出身地が、大分県佐伯市(現在の)ということもあるのでしょうか、九州も大分に行くと、なんだかちょっと特別な気分になります。
大分の食は豊かで、多彩。海の幸も山の幸も、すばらしいものが多いのですが、今回、友人のお引き合わせがあってお邪魔した「おおいたオーガニックマーケット・http://oitaorganicmarket.com/」さんにも、いろいろとおいしい食材がおいてあり、あれもこれもと買い占めてしまいたくなりました。
中でも、驚いたのは「吉四六(きっちょむ)のり」。
この地方では昔から、近海で採れる海苔(のり)を摘みとったあとすぐ洗って、乾燥させ、かるく焼き上げて食べていたとのこと。たしかに、その製法であれば、海苔そのものの味や香りが十分に味わえるはずです。
一般に市販されている海苔は、加工されているものが多く、時々加工度の低い海苔に出会うと、その独特の味と香りに魅了されます。
先日「吉四六のり」を、ごはんにのせ、お醤油を少したらしていただいてみたのですが、これがじつにおいしかったです。口の中に、磯の香りが広がり、あたたかいごはんとまじり合うと、その香りがさらに深まります。
海藻類に含まれる栄養素のことは、今さら言うまでのこともないと思いますが、私が提唱している「オプティマルフードピラミッド」では、+αの部分に入っています。少量でいいのですが、重要な栄養素群ですので、オイルやきのこ類などと同様、常に食べておきたい食品です。
この「ふのり」がまた、おいしかったです。
ふのりは、かるく水洗いして、お味噌汁などに入れたりすることが多いと思うのですが、普通、溶けちゃいませんか?
ところが、このふのりは溶けないんです。しっかりとしてます。やわらかですが、歯ごたえもある。そして、なにより、味がいい。
サラダに加えていただきましたが、これまたたいへんおいしかったです。
ふのりは、ちょっとベタベタというか、ネバネバしていますよね。あのネバつきは「フノラン」という栄養成分です。
ワカメや昆布に含まれている「フコイダン」とは別の成分ですが、どちらも健康効果は高いとされていて、血圧をゆるやかに下げたり、動脈硬化などにも効果があるとされていますから、積極的に食べたい食品です。
もちろん、食品なのですから、過度な期待はするべきではないと思いますが、日常的な食事の中で、適量摂取することはとてもいいことだと思います。
もう一つご紹介しておきたいのが「麦茶」です。
子供の頃から、麦茶、大好きだったんですが、久々に昔ながらの麦茶をいただいた、という感じがする麦茶でした。
ひとことで言って、素朴です。
煮出してすぐ、よりも、少し時間がたったほうがおいしさがよくわかると思います。
麦茶は、大麦の種子を煎じたものです。平安時代には貴族が好んで飲んでいた、ともいわれる由緒正しい飲みものなんです。あまり知られてはいませんが、その効能もかなりのもので、煎じる時につくられる「ピラジン」という物質が血行をよくするといわれており、また「Pクマル酸」という物質は活性酸素を抑えるはたらきがあり、抗がん効果があるとされています。
というわけで、大分で買い求めてきたいくつかの食材は、よくよく考えてみれば昔から日本人が親しんで食べたり、飲んだりしてきたものばかり。
これをきっかけにして、もう一度、自分たちの身の回りに、当たり前にある食べものを見直してみるのもいいかな、と思っています。
ナチュラルエイジングを提唱するフードプロデューサー
KIYO(南 清貴)Official WebSite
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