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汗出しのススメ

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お盆といっても、別にやるべきことがあるわけではないので、それをよいことに、丸々一日のんびりと過ごしたわけです。最近は、どこにいっても冷房設備が整っていて、汗を出すことが少なくなっているので、僕は年に何度かは「汗出しの日」というのを設定しまして、あえて汗を出す、ということをするのです。お盆の最終日は、その「汗出しの日」にしました。冷房は一切使わず、もちろん扇風機も使わない。飲み物もあったかいものにして、あ、冷たい麦茶を一杯飲みましたが、下着やトレーナーなど何枚も着込んで、下半身も二重履きで、首にはタオルまで巻いて、出せるだけ汗を出すという、見る人が見たら「アホか?」と言われそうなことをやっております。

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暑いさなか、こんなことをしていると、思考能力も少し衰え、というか端からないともいえますが、ともかくちょっと朦朧とした頭脳が、それはそれでいろいろと思い浮かべたりもするわけです。

この度は、高校三年生の夏を思い出しました。その年僕は、すでに演劇の道を行くということを決意していまして、夏休みの間にいろいろな本を読み漁っていました。そのうちの一冊は父が買い揃えてくれた筑摩書房から出ていた「日本文学大系」に収められていた、石川達三の「蒼茫」でした。ベッドにうつ伏せになり、ずっと同じ姿勢で本を読んでいたために、はじめて腰が痛い、という経験をしたことも思い出しました。そして、その夏の終わりに大病が発覚し、僕の人生はずいぶんと大きく進路を変えざるをえなくなります。病床で、はっきりと、芝居をやる、と思い定め、そのことが病気から立ち直る自分を支えることとなったのも思い出しました。

余談ですが、石川達三の原作で映画化された「青春の蹉跌」のこともよく覚えています。ショーケンこと萩原健一と、桃井かおりが主演でした。監督は神代辰巳。そしてこの映画のカメラマンが姫田真佐久。姫田さんは、日活最後の一般映画といわれた「戦争と人間 第三部」のカメラマンでもあり、この映画には僕もちょっとだけ出演していたので、何度もお話したことがあります。ほんとうに素晴らしいカメラマンの一人でした。

「蒼茫」は、第一回の芥川賞受賞作ということもあって、興味深く読みましたね。いずれ僕も芥川賞をとる、という決意もすでにあったのかもしれません、今思えば(笑)。それにしても、父はよくこの97冊にも及ぶ大系を、高校生の息子に買い与えてくれたものです。かなり高価だったはず。その97冊は、度重なる引越しで散逸してしまいました。とても後悔しています。同じく山本周五郎全集も、檀一雄全集も、安部公房全作品も一部を残して、そして大切にしていた永井荷風全集も一部を残して、あとは散逸。悔やまれます。ただ、高校三年で病床にあった時、当時の担任の先生が見舞いに持ってきてくれた「現代世界演劇全集(白水社刊)」の第一巻と第二巻、そしてその後の第三巻以降は自分で買い揃えた全集だけは、幾度もの引越しの時にも古本屋に渡すことはせず、今は娘の書棚に納まっていることは、一つの救いであったりします。

汗をだらだらと流しながら、もう一度読むべき本が、何冊もあるな、と思うのであります。本を読むことは、単に情報を仕入れるなどという、お手軽なものではなく、自分の思考を積み重ねることで、世界観を創り、洞察力を高めるということにつながるのだと、思考能力を発揮していない僕のアタマが考えています。

 


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